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夢プロジェクト第八夢~諫早の観光地めぐりをし、北御門のうなぎを食べたい~

スタッフの本多(以下本多)は悩んでいた。

 

N様の夢を叶えたいと決心してから2週間たつものの、一向に前進しない日々に自信をなくしかけていたと彼女は言う。

 

どうやってN様の夢を引き出したらいいのだろうか。

どうすれば私たち介護職に対する「申し訳ない」気持ちを払拭して頂けるだろうか。

 

本多は「夢プロジェクトを通じて自分の仕事に自信を持ち、N様の夢を叶える」と決心した。

N様はいつも本多に「○○ちゃん」と優しく声をかけてくれて、普段の業務の中でもたくさん会話をして下さる方だったから。

 

動機はこれだけでも充分過ぎるほどだと私は思い、進展をただただ見守ることにした。

 

毎日毎日私にどうやったら引き出せるかを相談しに来てくれた。

それから1週間程たったある日、

 

「山本くん引き出せたよ!」

 

事務所に入るなり開口一番教えてくれた。

 

「やりましたね!叶えましょう!」

 

一歩前進。諦めない彼女の情熱が勝った瞬間だった。

 

今回叶えることを決めた夢は

 

【奥様と北御門のウナギを食べたい。】

【諫早の観光地巡りをしたい】

 

夢達成の後にわかることになるのだがN様は食べる事には目がなく本当のグルメなのだ。

 

そして奥様と一緒にと仰ったこともまたN様らしいと感じることができた。

 

本多にとっては初めてのプロジェクトになるので以下の手順を教えることにした。

 

①ご家族への許可

②上司への許可

③下見 トイレ、階段などの障害物があるかの確認

④日程調整 スタッフ確保

⑤関係部署への周知

 

5つの課題のうち①と⑤の課題は私が担当したものの、残りの課題やご本人様のモチベーション維持は本多が責任をもってやってくれた。

 

同時に私も他のお客様の叶えたい夢が「北御門のウナギを食べたい」だったので、日程を同日に調整し他のスタッフが同行することになった。

 

初めての合同夢プロジェクトだったのだが、何か問題が発生することもなくスムーズに課題を解決することができた。

 

本多が考えたコース↓

 

  1. さくらを見に行く
  2. 諫早が一望できる神社に行く
  3. 北御門でウナギを食べる
  4. 眼鏡橋を見に行く。

 

N様御夫妻も快く了承してくださり、当日を心待ちにしていた。

 

【ここから当日の様子は同行した本多が語った内容である】

 

いよいよ当日、居室にお迎えに上がると今からデートに行くかのように楽しみに待って頂いていた。

 

出発後も桜並木を見ながら子供の頃の話を懐かしそうにN様は教えてくださった。

「あの頃を思い出すなー、悪い友達がおってよくいたずらしたもんだよ。」と

普段聞けない話を聞けたのもこの日を無事迎えることができたからだろう。

 

そして気づいたことがあった。

常にご夫婦は腕を組みながら行動を共にされていたのだ。

神社に行った時も、公園に桜を見に行った時も。

お互いに歩幅を合わせ、ペースを合わせ、仲良く景色を楽しまれていた。

何とも微笑ましく、私たちスタッフの心を癒してくれる姿だった。

 

腕を組んでいる画像

 

そして遂にうなぎ実食の時。

北御門のウナギは注文してから蒲焼きにし、そしてさらに蒸し上げる為時間が30分から40分程かかる。

 

まだか、まだかとスタッフ共々首を長く待っていた。

 

少し疲れが見え始めた頃念願のウナギの蒲焼きが到着。

 

一口、二口、久しぶりに食べる北御門の味に舌鼓を打っていた。

 

「この味、この味」

 

と笑顔で話されていた。

 

 

30分ほどで食べ終わるとよほど満足されたのか、最後の眼鏡橋はご夫婦共にキャンセルすることになった。

 

施設に戻ってからN様御夫妻からたくさんのお礼の言葉を頂き、本多も諦めずに取り組んでよかったと心底思うことができたという。

 

翌日私が当日のお礼を伝えるため居室を訪れると、

 

「本当に美味しかった、あとは天国に行くだけばい!(笑)」

 

と高らかに笑って話してくれた。

 

「次は高島の漁師飯が食べたかな、あのハコフグのお腹に味噌を詰め込んで煮込んだやつ!あれはーうまかった。今でも忘れられん」

 

次の目標ができた。

『本当に食べることが好きなんだな。』

デイサービス(高齢者の方々が一つの施設に通い介護保険サービスを受ける場所)に通っているだけでは気づくことができない一面だった。

 

そして本多にも感想を聞いてみると

「大変だったけど本当にやってみて良かった。今まではN様が話してくれる思い出話をなんとなく聞くことがあった。わからない単語なんかはそのまま聞き流してたけど、でもこれから話を聞くときはわからない単語は調べてでもN様の思い出話に共感したいと思った。」と話してくれた。

 

【夢】と一言で言うと大それているかもしれない。

聞いただけで恥ずかしくなってしまう人もいるかもしれない。

 

でもその【夢】がお客様の生きる意欲につながり

私たち介護スタッフとお客様の共通の目標になる。

 

改めて勉強させてもらうことができたプロジェクトになった。

 

夫婦二人ショット

 

山本 竜馬

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